株式会社ソーシャルライフ 様

株式会社ソーシャルライフ

株式会社ソーシャルライフ 小林弘雄 社長(左)西田義昭 副社長(右)

兵庫県内や大阪府内において、多くのサービス付き高齢者向け住宅を運営するソーシャルライフ株式会社。
同社がはじめて退職金制度を導入するに至った経緯やその内容、導入後の職員様の声などを小林弘雄社長と西田義昭副社長に伺いました。

まず、株式会社ソーシャルライフ 様の事業内容を教えてください。

(小林社長)サービス付きの高齢者向け住宅(サ高住)の運営と入居者への介護が事業の中心です。
現在、11施設、678戸を保有しています。その周辺業務として、介護・福祉用品のレンタル事業、デイサービス事業、居宅介護支援事業所の運営などを手掛けています。
また、高齢者向けサービスではありませんが、障害者の就労支援事業や保育園なども運営しています。

小林社長

御社が運営するサ高住の特長を教えてください。

(小林社長)「低所得の方でも利用しやすい施設を」というコンセプトに運営しています。
一定レベル以上の施設や介護サービスを低価格で提供している点が弊社の最大の特長ではないでしょうか。
生活保護を受けている方も積極的に受け入れています。
利用者の方を第一に考え、地味ながら真面目に事業活動を続けた結果、病院のソーシャルワーカーの方、ケアマネージャーさん、行政の保護課や障害課の方から次々と紹介をいただけるため、営業活動はしていないにもかかわらず、おかげさまで常に95%程度の入居率、つまり満室状態です。

御社の経営理念や会社を運営されるうえで大切にしている点を教えてください。

(小林社長)経営理念として「ひとりの人を大切に」と「共生」のふたつを掲げています。
ひとつめの「ひとりの人を大切に」の意味ですが、厳格な管理規程を定め、禁止事項のオンパレードのような施設が多い中、弊社では「館内禁煙」位しかルールを設けておりません。
一般的な施設は「お酒NG」ですが、弊社はOKです。
門限もありませんし、外泊も可です。
長期間でなければ入居者の部屋に家族の方が泊まっていただいても構いません。
いずれも、入居者を「介護の必要な老人」と考えるのではなく、尊厳を有する「ひとりの人間」として考えたい、という想いからです。
ふたつめの「共生」は、ひとりひとりが孤立することなく、あくまでも人間らしく生きる環境を整えたい、という想いから掲げています。
孤立環境でも入居者のニーズを満たすことはできるかもしれませんが、保育園児や障害者の方と高齢者が一緒に暮らしていくことで、お互いに生活の張りや生きがいが得られると考えています。 昨年から新卒の職員採用をはじめましたが、将来的にはそういった職員のお子さんを、自社が運営する保育園で預かり、同じ場所でお母さんが介護のお仕事をする、といった共生を実現したいと思っています。

経営理念について熱く語る小林社長

貴社が、退職金制度を導入しようとしたきっかけを教えてください。

(小林社長)社員との面談のなかで、介護部門の責任者から「退職金制度を設けてほしい」という声が上がったのがきっかけです。
その社員は介護職員の採用を行っているのですが、求職者から問われた「退職金は?」という声に応えられなかったというわけです。
ご存知の通り、介護業界の人手不足感は非常に強く、こちらが選ぶのではなく、むこうに選んでいただくような状態です。
ゆえに、人材確保には必要な制度と判断いたしました。
採用上の理由に加え、ご縁を得て入社いただいた職員さんに、少しでも長く勤め、自己実現をしていただきたい、という想いもあります。
その考え方の下、定年も60歳から65歳に延長いたしました。
長年の労苦に退職金で少しは報えたら、と考えています。

どのような手順で退職金制度を導入なさいましたか。

(西田副社長)最初、木下さんから、退職金制度の種類、それぞれのメリット・デメリット、同規模他社の退職金水準(いわゆる世間相場)等の説明をうけ、弊社に合った制度はどのようなスタイル、どのようなタイプかをディスカッションしながら固めてまいりました。
結果的に弊社はポイント制退職金制度を選択いたしましたが、次の段階で、総合職コースの社員と専門職・専任職コースの差をどう設けるか、自己都合退職者と会社都合や定年退職者の差をどの程度設けるか、ポイント単価をいくらにするか、制度開始前の勤続期間をどう扱うか、といった細部を多くのシミュレーションをしていただきながら詰めまいりました。
制度の骨格が固まったところで、資金準備手段を決め、退職金規程を整備したうえで、社員に対する説明会を開催しました。

退職金制度について議論する小林社長(左)・西田副社長(中)・木下コンサルタント(右)

ポイント制退職金制度を中小企業が導入する際ネックになるのがポイントの管理ですが、それをカバーするために「ポイント管理ツール」も同時に導入されたとのことですが…。

(西田副社長)木下さんから紹介され、トライアル的に使い始めました。
最初はわかりづらい点もありましたが、使い慣れてくると「非常に楽に管理できるツールだ」と感じられるようになりました。
業界特性として人の入退社が多い、つまり退職金の支払い機会も多いのですが、「退職金明細」がボタン一つでできる等、最近では手放せない貴重なツールとなっています。
毎年7月1日付で資格等級の見直しを行っていますが、そのタイミングで職員のみなさんにお知らせする「保有ポイント明細」も重宝しています。
自分たちでエクセル管理するなど到底できなかったと今では思います。

実際に退職金制度を導入して、いかがでしたか

(西田副社長)辞めた人の中には「こんなにいただけるんですか」という声もありました。
制度導入時からではなく、入社時にさかのぼって勤続計算する設計にしたためです。
求人票にも「退職金制度あり」と書けるようになり、数値化はできませんが、人の採用にもプラスに働いているという感触です。
人を大切にしないと成り立たない業界ゆえ、純粋に退職金制度を「導入してよかった」と思っています。

西田副社長

弊社に退職金制度の導入コンサルティングをご依頼いただいて、いかがでしたでしょうか。

(西田副社長)最初に他社で退職金制度の説明を受けた時は、もっと重たいものになると覚悟していました。
実際木下さんにお願いしてみて、仕組みをシンプルに設計していただいたおかげと、ポイント管理ツールを提供していただいたおかげで、業務上の負担感は当初予想よりかなり軽く感じています。
そういう意味でもお願いしてよかったと思っています。
最適資金準備手段として木下さんよりご紹介を受けた保険会社さんもよく動いてくれました。

弊所コンサルタント 木下より

小林社長、西田副社長、このたびはインタビューにご協力いただき、まことにありがとうございました。
弊社のある東京から御社のある大阪へそれほど頻繁には伺えないので、お伺いした際には、できるだけ深く、密度濃くご理解いただけるよう準備をしてきたつもりです。
御社におかれましても、事前送付資料等によく目を通していただいた上で議論に臨んでいただけたため、良い退職金制度を作ることができました。
多大なるご協力に深く感謝申し上げます。
退職金制度やポイント管理ツール、資金準備手段の保険商品などを通じ、これからも、御社の発展と従業員様のしあわせのために、微力ながらお手伝いをさせていただきます。
末永く、よろしくお願いいたします。

木下コンサルタント(左)・小林社長(中)・西田副社長(右)